公式短編小説「イングレス:レベル8」のあらすじ

公式短編小説「イングレス:レベル8」のあらすじ

イングレスの物語はたいてい断片的に公開されていきますが、フェリシア・ハジラ=リー(Felicia Hajra-Lee)による小説(の形をとったヴィジョン=幻視のまとめ)は、がっつりと読め、イングレスの世界観に浸るのに適しています。
日本語で読める唯一の公式小説「ザ・ナイアンティック・プロジェクト:イングレス」の他にも「イングレス:レベル8」という短編があり、気になったので読んでみました。短編とはいえ、いろいろあって時間がかかりましたが、全文を翻訳したので、かいつまんでまとめてみます。

「レベル8」の物語は、時期としては2013年夏ごろ。2012年末に「啓示の夜」事件が発生した後、HAZDATAによって閉鎖されたCERNのナイアンティック施設に残る科学者3人を確保しようと、XM企業各社から別々に精鋭荒事部隊が派遣されます。さらに施設を保持するHAZDATAと、NIAのセキュリティ責任者ジェイ・フィリップス(昨年、カルビンと共に死亡)が、それぞれの思惑を戦わせます。しかしADAそして「あの男」の二つのワイルドカードの登場で、事態は予想外の方向に進んでいきます…。

※短編とはいえオチまで書くので、ネタバレを気にする方は以降は見ないことをおすすめします

さて、冒頭で謎の男がまず施設に入り込みます。彼は放置されていたヴィクター・クレーゼ博士の遺体を確認、安置されていたローランド・ジャービスの遺体(おそらくはシミュラクラ)を確保します。このときに謎の男の正体が明かされます。お前か冒険野郎マクガイバー!
一方その頃、ヴィスル・テクノロジーからはヒューバート・ファーロウ、そして当時ヴィスルに身を寄せていたデヴラの護衛としてイリヤが雇ったクラウディア・グラスら。IQテックからはイザベル・デヴィットと輸送ヘリUH-60を駆るパイロット、そしてガチムチの特殊警備会社の面々。さらにヒューロン・トランスグローバルからは、「ザ・ナイアンティック・プロジェクト」でカルビンの罠に落ちNIAから潜入しているユェン・ニィと中国系っぽい荒事部隊らが、CERNを目指します。
CERNではジェイ・フィリップスがそれら勢力に応じる構えをみせます。

それぞれの部隊がぶつかり合い、CERNが鉛玉飛び交うキリングフィールドになるまさにその直前、4月のHAZDATA突入によりコア部分を無力化されたはずのADAが、各企業の重鎮を半ば強引に引き合わせ、三方二両損で丸く収めるプランを提案。これが採択され、一時的に3企業は結託して混成部隊となり、フィリップスから3人を解放します。

しかしCERNにはもう一人、重要人物が残っていました。ADAの基礎設計を行ったり、ナイアンティック計画のネットワーク・セキュリティを担当していたヘンリー・ボウルズです。ハンクは彼の確保も狙っていましたが、ここで「ザ・ナイアンティック・プロジェクト」で昏睡状態となっていた「あの男」が登場。フィリップスの手からボウルズを奪い、その目的を明らかにするのです…。

新たな謎もいくつか提示され、実は未だに解決されていないものもあるのでは…という印象。今後の物語で、それが明かされる日が来るのでしょうか。とりあえずNL-1331は、なんかありそうです。

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査読をしてくれたMailEaterさんを始め、翻訳にあたり、当コミュニティの皆さんには大変お世話になりました。末記ながら、ここに感謝いたします。

〈雑感その1〉 フェリシア・ハジラ=リー作品は、妙に銃火器が豊富に登場するのは「ザ・ナイアンティック・プロジェクト」読者ならお気付きの通りですが、この短編でもそれを遺憾なく発揮しております。まさかノリンコ製品まで出るとは思わなんだ…。

〈雑感その2〉 「ザ・ナイアンティック・プロジェクト」同様、公式日本語訳が出せるなら、ぜひお願いしたいところ(できれば長編「アラインメント:イングレス」も!)。自分用に翻訳はしたけれども、さすがに有料の電子書籍として販売されている本の勝手訳を公開するのは憚られます…。

コメント

  1. 〈補足情報〉関連するイングレス物語界隈の動き

    2013/05/13
    フェリシア・ハジラ=リー「イングレス:ザ・ナイアンティック・プロジェクト」公開
    https://plus.google.com/+FeliciaHajraLee/posts/SB7fVFXm7Sk

    2013/07/13
    アノマリー「ヴォイニッチ」。ENLが勝利し、キャリー・キャンベルからグリフ研究の成果を得る。同日、タイコのビジュアルストーリー「イングレス:エピファニー・ナイト」(現在入手可能な「イングレス1,2&3」の1の部分)がサンディエゴ・コミコンで発行されたらしい。

    2013/07/16
    ロラゾン、イザベル・デヴィットにCERNに残る3人(ナガッサ、シューベルト、ライトマン)の奪取を命じた会話のリーク。
    https://plus.google.com/+NianticProject/posts/QU2KMd2BGej

    2013/07/27
    ハンクとデヴラの会話。進行中の作戦について、デヴラの手助けを求める。
    https://plus.google.com/+NianticProject/posts/BtJj8ci2xqs

    2013/07/31
    X氏 NianticProjectアカウントにて、PACが「ついに我が古き友の音信を得た」としてADAとの対話のリークを掲示。HAZDATAによるADAコアの破壊を如何にして「生き延びた」のか。
    https://plus.google.com/+NianticProject/posts/VjdtJh6FvA2


    2013/08/03
    X氏 NianticProjectアカウントのPACの記述によると、この前の週にはCERNから三人は解放されている。すなわち「レベル8」が起きたのは7/21~27の間、ということになるだろうか。
    https://plus.google.com/+NianticProject/posts/hMHtNsYhK4d
    同日、アノマリー「ミノタウロ」。RESが勝利し、キャリー・キャンベルのグリフのデータを得る。

    2013/10/25
    フェリシア・ハジラ=リーからトーマス・グリーニアスに宛てた書簡が公開。この内容が「レベル8」の冒頭である。
    https://plus.google.com/+NianticProject/posts/Dn9JEDnkQfF

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  2. もし、気力があるのなら、こちらから公式にアプローチをかけるのもありですよ。
    ボードゲーム界隈だと、自分が気に入ったゲームを出版元に働きかけてこちらが作った翻訳物を公式に公開してもらう例が幾つかありました。

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  3. 中国北方工業公司かwww

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  4. 篁修一 や、それはハードル高い…
    うまく訳せていない部分(大意はとれるが変な解釈になる)もありますので、もう少しそこら辺をしっかりまとめてから考えます。

    Kazzy KT そこ拾うか!w

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  5. Edgar Allan Wright H. Richard Loeb Operation Essex
    John Hanke Masashi Kawashima Ingress Japan

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  6. 篁修一 背中を押して頂いたおかげで、多くの方々の手助けを頂き、クォリティを上げ、非公式ながら公開準備が整いました。ありがとうございます。

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  7. 今更気づいたんですが、この頃の Niantic Project アカウントはP.A.シャポーによる投稿ですね。

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  8. MailEater あざます。修正しました(コメントに気付いてなかったゴメン)

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