P.A. シャポー(P.A. Chapeau)

Originally shared by Itonaga “Siel Dragon” Naohiro

P.A. シャポー(P.A. Chapeau)
2017/06/01 15:02:53
サーティンマグナス・リアウェイクンで、ハンク・ジョンソンは幾つかの文書からナヴァッロに隠された過去の一端を読み取った。その情報を私にも開示してくれるよう求めたところ、応じてくれたよ。ハンクに感謝したい。

スペイン船航海日誌
サーティンマグナス・リアウェイクンの起きたナヴァッロの集落から数マイルほどの距離に数フィートほどの風化した金属管が埋没しているのを捉えた。その意匠からスペイン製火縄銃の可能性があった。管の内部からは数ページにわたる航海日誌が発見された。丸められた状態で封印が施されており、そこに記されてから数世紀を経たものだった。それらは個人収集家の手に渡ったが、苦労してその文書の幾つかを私は手に入れたのだ。

それはこのような内容であった。

もう何日を掛けたかはわからないが、我々は紅く装飾したひとりの男を追い、蛇や虎、刺咬昆虫の巣食う密林を切り開きながら進んでいった。とある地域へたどり着いたときのことだが、男は小さな円盤を取り出し、あたかも神に呼び掛けるかの如く空を振り仰いで叫んだ。太陽が地平に落ちてきたかのような眩い緑色の閃光が発せられ、我々の眼前には密林に隠されていたピラミッドがあったのだ。それは紛うことなき魔法であったが、我々にとってはこの世の出来事だった。我々はそのピラミッドに向かって急いだのだ。

ピラミッドのある場所で、我々はパトロンから聞いていたとおりのアナズクテックの民と遭遇した。アナズクテックの司祭は我々と同様に聡明であるように見えたが、奇妙なことに武器を帯同してはおらず、街の秘められた力が護ってくれるものと信じているようだった。そして、黒い石を彫ったくぼみの中には金色の木製トーテムがあった。ひとつの神のうえに別の神が積み上げられたもので、その額にはパトロンが言ったとおり宝石が埋め込まれていた。

司祭たちは我々の剣に屈し、死にきれなかった者はトーテムを運び出す手伝いをさせた。瀕死の司祭たちは呪詛か警告と思しき糾弾を浴びせたが、我々が耳を傾けることはなかった。アナズクテックの戦士たちがすぐにでもやってくるだろうと考えたのだ。銃やクロスボウ、トレドの剣匠の手による剣や鎧を以てしても、この秘密の場所と関わり深いとパトロンから伝えられていた恐るべき部族戦士たちやフランシスコ・デ・オレリャーナの名を河に刻んだ女戦士とやりあうつもりは我々になかったのだ。

我々は長いことトーテムを肩に担いで歩みを進めた。想像していたよりも遥かに軽いものだったが、疲労と厄介な虫を媒介とした熱病によって二人が脱落した。追手が迫っているとの恐怖に囚われていたのだ。河へたどり着くと、大型のカヌーにトーテムを載せ、急いで河を下り、パイタの港町にほど近い海へ出た。我々が辿り着いたときも英国海軍による攻撃は続いていた。

バスク人としては貪欲な貴族どもに莫大な費用を求められることとなるスペインへ財宝を持って帰る意思はなく、英国海軍の攻撃を隠れ蓑として用いて高速で軽装甲なキャラベル船を奪い取り、その乗組員らを支配下に置いた。出帆の際には英国海軍や同胞であるスペイン海軍からの攻撃に晒されたものだし、海岸線の木々からは近隣の女戦士からの攻撃もあった。その猛々しい戦士たちも我々がトーテムや秘密のピラミッドを冒涜とみて怒り狂っていたようだが、風が我々に味方し、切り抜けることが叶った。

英国の海賊には悩まされ、我々はパナマを北に抜けて英国のドレイク船長が発見したという地を求めて北へ北へと進路を取ると、やがて英国の海賊どもは引き返していった。

巨大な入り江を抜け、緑や青の稲妻が走りトーテムの瞳を刺激するかのような海から伸びる触手の襲う奇妙な嵐に襲われたときも北へ進路を取っていた。その嵐によって我々の船は沿岸の尖った岩へと叩きつけられたのだ。船長のカルロス・ピエドラ・アグダが自らの故郷であるナヴァに因んで名付けたその船は、とある河口へ乗り上げた。そして、そこはこの奇妙なトーテムを手にして以来垣間見るようになった幾多ものビジョンのひとつで見た場所だと、アグダは我々に告げた。

船を修理し、不要なものを全て破棄すると、河を上り目指す場所へたどり着くに充分なほどの風が来た。我々は壕を掘り、この地域に敵対する者たちがいたときには要塞となるべく船を接地させた。我々は宝石によって俯瞰されるべきとアグダは考え、トーテムポールはマストヘッドに用いられた。こうしてキャラベル船は要塞としてのみならず、村の中心ともなったわけだ。程なくして原住民たちが現れて彼らとの交易が始まることとなった。

数週間にわたり原住民たちとの関係は良好なものだったが、それに変化が生じることとなる。我々の一員であったアルヴァ・カベサ・デ・コロナドが一晩にわたり船へ戻らなかったのだ。我々は彼の捜索に乗り出して彼の発見に至ったとき、その亡骸はアナズクテックの民が用いる矢に貫かれていた。我々は遥か遠くから奴らがこの地まで追ってきたことを悟り、アナズクテックが原住民らを扇動していることに気づいた。

部族の戦士たちが雨あられと降り注ぐ火矢の中、水辺から森の奥からと襲い掛かってきたのだ。

私の入手したものはここで途切れている。まだ幾つか航海日誌は実在しているとのことだが、現時点で私の知るところではない。
http://investigate.ingress.com/2017/05/31/the-spaniards-logbook/

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