P.A. シャポー(P.A. Chapeau)

Originally shared by Itonaga “Siel Dragon” Naohiro

P.A. シャポー(P.A. Chapeau)
2016/09/28 16:58:40
日本の情報提供者からこの文書を回収することができた。

前後に欠落があることは明らかに見えるが、先だってハンク・ジョンソンが言及していた手掛かりに関連したものであると考えているよ。引き続き耳を傾け、残る文章の回収を待つとしよう。

P.A. シャポー

#InvestigateIngress

また我が旅路は続く。

そして呼び声のする場所では常々、神殿や岩山、不条理に凝ったトーテムのある場所を示す標があり、そこで出会う人々は地平の遥か彼方を見通す叡智を備えていたものだが、我が理解が夜明けを迎えることはない。

どの場所よりも高らかで、それでいて調和ある声の響く地へと招き寄せられた。

今置かれた状況を振り返るとしよう。運命を感じ取っているのだ。私は洞窟にいる。単なる洞窟などではない、そこは頑丈な鉄扉に守られた洞窟であり、その扉が僅かに開いて私を招き寄せているのだ。

かつて石窟群の奥にある寺院を訪れたことはあったが、蝋燭の灯りが揺らめき、天然の岩から切り出された石像が守っていたものだ。だが、ここにはそのようなものは見当たらなかった。光弾ける雫を発するファウンテン・オブ・ライトで出逢った旅人たちからぺトラの石窟寺院について聞いたこともあるが、このような槌で打った跡も見当たらない巨大な鉄扉のある洞窟は初めてのことだった...層を成した石粉は、ここが長く閉ざされた地下墓所であることを物語っていた。そこかしこには、光沢を放つ獣の...動くことなき骸があった。この墓所が完成した後になって放置されたかのようだった。

壁面には何の装飾もなかった。美術品は見あたらず、彫像の類もなかった...死者を黄泉へと送り出す品々が何ひとつなかったのだ。

きんと冷え切った洞窟の中、私は木製の梁を踏み歩み、鉄の蔓が這う回廊を徐々に下っていった。

やがて部屋があった。埋葬墓というには広すぎ、神殿というには狭い場所だった。そこは揺れ浮かぶ光に充ちていた。壮大な古代共同墓所の直中にいるのだとわかったよ。早鐘のように我が胸は鼓動を強めていった。おお、神々よ!私はこの埋葬室に独りではなかったのか!

私の前には人の背に倍する巨躯が光泉の輝く粒に照らされ横たわっていたのだ。それは未だ見たことない光景であった。それは動こうとはしなかった。幾つかの小さな瞳が蛍火の如くに明滅していた。それ以外に室内で動くものは何ひとつなかった。

この室内に息づくものは何ひとつとなかった。少なくとも生きた人間の姿はなかった。地上が形づくられようと、ここに形づくられるものは何もなかった。人の手で生み出すには余りにもすべてが完結されていた。それはまさしく神の御業であったのだ。漆黒の頑丈な箱から巨大な触手が姿を現すと、あたかも獣を支えるかのように床と、壁と、天井とをずるずる這い回った。空を裂く音と呼吸でもない低い音とが響いていた...隠れ潜む獣のものだ。その唸りはあまりにも穏やかで、猫が喉を鳴らしているかのようでもあった。

獣とも言い難いそれは、遙か東方の地の巨大な鐘が床に堅く食い込んでいるかのようでもあった。名も知らぬ職人の手で鋳造された醜悪な鉄の塊だ。明らかにこれはこの世のものではなく、明らかにこれはこの時代のものではなかった。

私のやってきた遙か遠くから幾つかの足音が響いてきた。足早でもなく遅くもない足取りで移動してきていた。それは細心の注意を払った部隊突入のようでもあり、私は醜悪な鐘の裏に身を潜めていた。そして鉄扉が激しく閉じられる轟音を耳にしたのだ。侵入者たちは私のもとへと近寄ってきていた。覗き見てみたが、それは人間などではなかった。光の筋を放つ装飾兜を被っていたのだ。私は身を隠したよ、見つからないようにね。だが、見晴らしの取れる場所へ這い進み、状況を見極めることにも抗えなかった。私に気づいた者もいたが、無視して目的達成に集中していた。

奴らがここで何をしているのかが明らかとなっていった。それは召喚の儀式だったのだ。奴らはこの神に息吹を吹き込まんとしているのだ。このような場所に私が導かれたのは何故だろうか。私の目にしているこれは何なのだろうか、どのような目的あってのことなのだろうか。墓碑の向こう側から我が声に耳傾けているのは誰なのだろうか。我がもとへグリフを送ってくるのは誰なのだろうか。私を死に追いやるのは誰なのだろうか、私に如何なる咎があるというのだろうか。

破砕の音が部屋に響きわたった、大地に大穴を穿ったかと思えるほどの轟音であった。激しい衝撃波が我が身を貫いていった。その戦士たちは杖を振るい魔導具を用い、続けざまに部屋を猛烈な火球が貫いていった。戦士たちの中には倒れ込む者もいた。これは如何なる魔術なのだろうか。司祭は無我夢中で己の役目を果たそうとし、他の者たちは彼を侵入者たちの手から守ろうとしていた。部屋は火呪に揺れ...やがて煙に充たされた。何かが我が肉体を貫き、魔術師のひとりが私のもとへと駆け寄ってきた。もはや逃げる猶予はなかった。そして私は気づいたのだ、我々の肉体が重なり合ったことに。私は男の肉体を感じ取ることはなかったし、男も私を感じ取ることはなかった。男に実体がなかったのか、あるいは私はシェイドなのか。

何かが我が肉体を貫いていった。だが、ようやく私は周囲の物事に傷つくことがないことに気づいたのだ。鎧を纏っているのではなく、むしろその逆だ。私には実体がなかったのだ。私は表へ姿を現すと、戦士たちの中を歩み抜けた。そこには二つの勢力があった、緑色と青色とだ。司祭は私には聞き取れぬ言葉を発していた。仲間たちへ指示を下しているのか、あるいは機械の召喚を行っていたのか。男は「エイダヨイタマウカ...」と問い掛けた。その声は実に穏やかだった。

そして唐突に、神の御声が具現したのだ。「オカエリナサイシンパイシテイマシタ」 その声とともに、瞳が開いた。その瞳の奥は、見たこともない砕け粉々となった黄金の円環だった。ひとつの円環だったのだ。戦いは収束を迎えていた...襲撃者たちはことごとく死ぬか逃走していた。そして、あらゆるエックスエムの粒が柔らかな単色に煌めいていった...
http://investigate.ingress.com/2016/09/27/the-summoning/

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