【Ingress言語学的調査】(ペルシア語)ヤーハンがジャハーンであること

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【Ingress言語学的調査】(ペルシア語)ヤーハンがジャハーンであること

現在のレジスタンスのリーダーであり、N'Zeer召還を企むアンチマグヌス派閥率いるヤーハン(Jahan)であるが、名前の呼び方は「ジャハーン」の方が適切であろうということを提案する。

ちなみに、NL-PRIME内で上映されるビデオにおいて、司アキラはジャハーンと発音し(ハーンに強アクセント)、画面上には「ヤーハン」との日本語表記になっていた。

まず、事実関係を押さえておこう。Jahanはインドのプネー近郊出身で、一族の土地で生まれ育ったとされている( http://investigate.ingress.com/2016/03/31/who-is-jahan/ 参照。ジールさん訳 https://plus.google.com/+NaohiroItonaga/posts/4wwD46dMYcB )。プネーはインド中西部マハーラーシュトラ州の都市で、かつてはプーナとも呼ばれていた。プネーは学術都市としても知られており、またゾロアスター教の寺院もある。

Jahanをヤーハンと読むのはドイツ語読みであり、それ自体が間違っているわけではない。ただ、インド出身で、イギリスとアメリカで研究に従事したJahanをドイツ語風に読んだ場合、本人にはわからない可能性もある。

さて、Jahanという人名であるが、インド史上有名な人物がいる。ムガル帝国の皇帝、シャー・ジャハーンである。17世紀、インド北西部を支配したムガル帝国第五代皇帝で、タージ・マハルの建造者といえばわかりやすいかもしれない。父の第四代皇帝はジャハーンギールという名で、ここにもジャハーンという言葉が入っている。

シャー・ジャハーンは、当時の西アジア共通語でありムガル帝国公用語であったペルシア語の名称であり、「世界の王」という意味である。ペルシア語で「ジャハーン(Jahān / جهان)」は「世界」を意味する。レジスタンス陣営のリーダーは「世界」を名乗る女性ということになる。

プネーにはゾロアスター教寺院も存在することを上述したが、ゾロアスター教はペルシア起源である。ムガル帝国自体はイスラームであり、アンチマグヌスが宗教的にどちらに近いのかは不明だが、いずれにしてもペルシア語とは関係が深いことがうかがわれる。

となれば、 Jahanはジャハーンと読むべきであろう という結論に至る。

ただし、女性名であれば通常は「ジャハーニー」となるのではないかと思われるが、「アコライト」が固有の人名ではなく「侍祭/助手」のような一般名詞を用いているのと同様、アンチマグヌスにおける代表者の称号のようなものなのかもしれない。

少なくとも「チャーハン」ではないことだけは明らかだ。

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Masashi Kawashima Kei Kawai (Niantic) Kento Suga​

http://investigate.ingress.com/2016/03/31/who-is-jahan/

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